
ワット・モハ・リープ
Tbong Khmum [Tbong Khmŭm]
ワット・モハ・リープはカンボジアのカンポンチャム州に位置する、独特で歴史的に重要な仏教パゴダです。1894年に建設が始まり、国内で唯一完全に木造で建てられた寺院として、60本の木製柱に支えられ、高い基壇の上に建っています。寺院の建築は19世紀後半のカンボジア美術の精巧な代表例であり、金箔を施した柱などの装飾が特徴です。プリーアック・リープ村出身の識字僧によって創建され、最高長老ニル・ティアンの別荘寺院の一つとなりました。クメール・ルージュ政権時代には医療用寮として利用され、シロアリ被害や屋根の漏水による損傷も受けましたが、模範的な修復作業が行われています。ワット・モハ・リープは文化的な抵抗力と芸術的遺産の象徴であり、激動の歴史の中で伝統的なカンボジアの木造寺院建築を訪問者に希少な形で伝えています。
ヒント: 訪問は乾季に計画すると、天候による影響を避けられ、木造建築の美しさを十分に楽しめます。修復作業や立ち入り制限がある場合もあるため、事前の確認をおすすめします。チケットは一般的に手頃で、現地購入が基本ですが、学生や団体向けの割引があることもあります。宗教的な場所であるため、敬意を払った服装と行動が望まれます。
興味深い事実
- •ワット・モハ・リープはカンボジアで唯一現存する完全木造の古代寺院です。
- •寺院の60本の木製柱は1931年の約33年前に名匠によって金箔が施されていました。
- •クメール・ルージュ政権時代には医療スタッフの寮に改装され、木製柱は泥で塗りつぶされていました。
- •寺院の初期の歴史を記した碑文(K. 1046)は1975年から1979年の間に破壊されましたが、写真や翻訳でその内容が知られています。
- •1970年代初頭のアメリカ軍とB-52爆撃にも耐え、周辺の寺院が破壊される中で生き残りました。
歴史
ワット・モハ・リープの建設は1894年に王室の後援のもと始まり、1906年にはカンボジア最高長老ニル・ティアンの立ち会いのもと基礎石が据えられました。チャム族との紛争後の領土回復の一環として建てられ、20世紀初頭にはその芸術的美しさで認められましたが、フランス植民地政府による史跡指定は受けませんでした。クメール・ルージュ時代には僧侶制度が解体され、建物は医療用途に転用されるなど厳しい状況に置かれました。21世紀初頭からは木製柱や屋根の保存を目的とした修復作業が始まり、建築的・文化的な宝としての存続が図られています。
場所ガイド
本堂1894-1906
ワット・モハ・リープの中心であるこの本堂は、60本の大きな木製柱に支えられており、そのうちいくつかは精巧な金箔装飾が施されています。主仏壇を収め、寺院の精神的な中心地です。